「コーヒーって苦いだけじゃないの?」そう思っているあなたは、コロンビアのエメラルドマウンテンコーヒーを飲まれた経験がありますか?このコーヒーは、名前を聞いただけでコーヒー通の方々の目が輝くほどの逸品なのです。
なめらかな口当たり、豊かな香り、そして繊細な味わい。エメラルドマウンテンコーヒーは、あなたのコーヒーへの感じ方を変える可能性を秘めています。
この記事では、コロンビア エメラルドマウンテンコーヒーとは何か、その魅力から楽しみ方まで徹底解説します。あなたも、ぜひ至高のコーヒー体験への扉を開いてみてください!
好きなコーヒー銘柄 コスタリカジャガーハニー、モカなど
コーヒーは1日3~5杯は飲んでいます。好きな時に飲みたいのでハンドドリップ派。ブラックかカフェオレ(砂糖なし)が好きです。酸味よりコク重視。
エメラルドマウンテンコーヒーとは何か?
エメラルドマウンテンコーヒーは、コロンビアのアンデス山脈のふもと、標高1,600メートル以上の高地で栽培されています。コロンビアは、世界有数のコーヒーの生産地となっています。
エメラルドマウンテンとは、コーヒー豆の希少性と卓越した品質から、コロンビア産の美しい宝石=エメラルドから名づけられました。以下では、このコーヒーの特徴、産地、そして評価について詳しく解説していきます。
コロンビアのエメラルドマウンテンの特徴
エメラルドマウンテンコーヒーの最大の特徴は、その豊かな風味と複雑な香りにあります。生産地の標高の高さと独特の気候風土によって、豆は緩やかに成熟し、濃厚な味わいを形づくっています。
また、生産地における火山性土壌は栄養分が豊富であり、豆に品質向上に大いに貢献しています。エメラルドマウンテンコーヒーはその品質の高さから、コロンビアのスペシャリティコーヒーの中でも高級品として位置づけられています。
エメラルドマウンテンの産地と栽培環境
エメラルドマウンテンコーヒーの主な生産地は、コロンビア中央部のアンデス山脈のふもとに位置しています。この地域は、年間を通じて温暖な気候と適度な降雨量に恵まれ、コーヒー栽培に理想的な環境となっています。特に朝晩の寒暖差が大きいことが、豆の風味を濃縮させる要因となっています。
栽培は主に手作業で行われ、完熟したコーヒー豆を一粒ずつ丁寧に手摘みで収穫しています。また収穫後は発酵させ、アンデス山脈の水源から流れている水洗い(ウォッシュド)され、乾燥されます。繊細かつ手間のかかっている作業工程が、豆の品質を高く保っているのです。
エメラルドマウンテン豆は、保存方法や輸送方法においても厳しく管理されており、細かい規定が設けられています。コーヒー鑑定士によるカッピングも7回行われるなど、妥協のない品質へのこだわりが豆の選別に活かされています。
エメラルドマウンテンの希少性と評価
エメラルドマウンテンコーヒーの生産量は非常に限られており、希少性が高い一因となっています。厳しい品質基準とFNC(コロンビアコーヒー生産者連合会)の認証制度により、エメラルドマウンテンコーヒーとして認められるのは、コロンビアの全生産量のうちわずか1~3%未満とされています。
2021年にコロンビアで行われたコンテストには1,100ロットの応募があり、3ラウンドのカッピングと評価会を勝ち抜いた26ロットが、世界中の審査員のもとに送られ評価を受けています。その後、審査員の評価が発表され、オークションが開催されるのです。
ちなみにこちらの「Cup of Exellence」オークションは登録制で、登録が承認されると入札に参加ができます。FNCのサイトの2012年の記事では、「日本からは20名がオークションに参加します。」とあり、日本のコーヒー専門家もコロンビアコーヒーを重視しているのがうかがえますね。
また環境に配慮した栽培方法を実施するなど、サステナビリティへの取り組みも評価の対象となっており、環境保護や地域社会への貢献も重視されています。
エメラルドマウンテンの味わいと香り
エメラルドマウンテンコーヒーは、独特の味わいと香りで世界中のコーヒー愛好家を魅了しています。以下では特徴的な風味、酸味と甘みのバランス、楽しみ方を詳しく解説します。
エメラルドマウンテンの味の特徴
まずエメラルドマウンテンコーヒーの味わいの特徴をまとめてみます。控えめでありながら複雑な味わいが調和し、バランスの取れた上品な印象を生み出しています。
味わい | 酸味は控えめ、なめらかでクリーミーな口当たり |
風味 | ナッツやキャラメルの香ばしさ、微かな柑橘系の爽やかさ、ダークチョコレートを思わせる深みを感じる |
後味 | わずかにスパイシー、余韻が残る深み |
なかでも注目すべきは、特徴的な酸味と甘みのバランスです。
酸味と甘みのバランス
エメラルドマウンテンコーヒーの魅力的な点は、酸味と甘みの絶妙なバランスにあります。酸味は、他の高地産コーヒーに比べて控えめで、飲み手を圧倒することなく、むしろ全体の風味を引き立てる役割を果たしています。
おすすめの焙煎度と抽出方法
エメラルドマウンテンコーヒーの魅力を最大限に引き出すためには、適切な焙煎度と抽出方法が重要です。エメラルドマウンテンコーヒーを美味しく淹れる方法をご紹介します。まず準備するものは以下の通りです。
- コーヒー豆(エメラルドマウンテンの中細挽き)
- ペーパードリップ用のドリッパー、ペーパー
- ヤカン(専用ポット)
- 温度計(正確に温度を測りたい場合)
- カップ
準備するものがそろったら、下記の手順で淹れていきます。
お湯を準備する | お湯の温度は90~95度くらいが適温(温度が高すぎると苦みが出る) |
カップを温める | カップにお湯を注ぎ、温めておく(★コーヒーが冷めにくくする) |
粉を計る | 1人分は15g(大さじならすりきり3杯くらい)3人分は24~28g(大さじならすりきり5杯くらい) ★コーヒーメジャースプーンはスプーンによりグラム数が違うので、正確に測りたい方はキッチンスケールなどの使用がおすすめ |
粉を入れる | ・ドリッパーにペーパーをセットし、粉を入れる・粉を平らにならして、真ん中をくぼませておく |
お湯を注ぐ(3~4分) | ・最初に少量のお湯を注ぎ、30秒ほど待つ・2回目以降のお湯を真ん中に注ぎ、泡が立たなくなるまで待つ |
ペーパードリップの他の方法では、フレンチプレスもおすすめです。フレンチプレスで淹れると、豆の油分をより多く抽出でき、よりボディのある味わいを楽しめます。いずれの方法でも豆は抽出直前に挽くと、最高の風味を引き出すことができます。
エメラルドマウンテンとブルーマウンテンの違い
高級コーヒーとして知られるエメラルドマウンテンとブルーマウンテン。両者は比較されることがありますが、実際には産地、味わい、市場での位置づけに明確な違いがあります。ここでは、これら二つの高級コーヒーの違いを詳しく解説していきます。
産地と栽培条件の比較
エメラルドマウンテンとブルーマウンテンは、それぞれ異なる地域で栽培されています。エメラルドマウンテンはコロンビアのアンデス山脈のふもとで生産され、標高1,000〜2,000メートルの高地で栽培されます。
栽培地は火山性土壌であり中間の気温差も大きく、コーヒー栽培に適した気候に恵まれています。
一方、ブルーマウンテンはジャマイカのブルーマウンテン山脈で生産され、標高800〜1,500メートルで栽培されます。ブルーマウンテンの栽培地は、カリブ海からの湿った空気と朝霧により冷涼な気候条件にあります。結果的に豆がゆっくり熟成するため、密度の濃い豆が育つのです。
味わいと香りの違い
味わいと香りの面でも、エメラルドマウンテンとブルーマウンテンには明確な違いがあります。
エメラルドマウンテン | ブルーマウンテン | |
口当たり | なめらかで、酸味がある | より酸味が強く個性的 |
風味 | スパイシーさと余韻 | ワインのような酸味と繊細なコク |
香り | ナッツやキャラメル的な香ばしさ | フローラル的な華やかな香り |
エメラルドマウンテンがよりまろやかで飲みやすいのに対し、ブルーマウンテンはよりはっきりした個性的な味わいを持っています。
価格と市場での位置づけ
価格と市場での位置づけも、エメラルドマウンテンとブルーマウンテンには違いがあります。ブルーマウンテンは、その希少性と長年の実績から、世界でも高価なコーヒーの一つとして知られ、日本市場でも大変人気があるコーヒーです。
ジャマイカ政府機関のJACRA(Jamaica Agricultural Commodities Regulatory Authority)による厳格な管理のもと、選ばれた豆のみが認定されるため生産量が極めて限られています。その結果市場価格は非常に高くなっています。
ジャマイカのブルーマウンテンのみを扱う専門店もあるほどです!
一方、エメラルドマウンテンは、ブルーマウンテンほどの希少性はありませんが、高級コーヒーとして位置づけられています。エメラルドマウンテンは、私たちがよく見かける缶コーヒーなどにも使われ、価格はブルーマウンテンよりも比較的手頃なので、多くのコーヒー愛好家が気軽に楽しめるコーヒーとなっています。
エメラルドマウンテンは近年、価格よりも高品質で独特の風味を持つコーヒーとして国際的な評価が高まり、高級コーヒー市場での存在感を増しています。コーヒー市場の拡大とともに、エメラルドマウンテンコーヒーの価格上昇が予想されますね。
エメラルドマウンテンコーヒーの豆と栽培
エメラルドマウンテンコーヒーの品質の高さは、厳選された品種と綿密な生産過程に裏付けられています。この章では、主な品種、栽培から収穫までのプロセス、そしてエメラルドマウンテンコーヒーの品質管理と認証制度について詳しく解説していきます。
主要な品種と特徴
エメラルドマウンテンコーヒーの主な品種は、アラビカ種のティピカとカトゥーラ、カスティージョです。
豆の種類 | 特徴 |
ティピカ(Typica) | ・アラビカ種の原種に近い品種で、繊細な風味・成長が遅く収穫量は少ない |
カトゥーラ(Caturra) | ・ティピカの突然変異種で、より小型で収量が多いの |
カスティージョ(Castillo) | ・2005年に商用としてリリースされた比較的新しい品種。 ・カトゥーラとティモール・ハイブリッドの人工交配種・病害に強く品質が安定しており、生産性が高い・コロンビア国内で生産比率が増加(全体の50%) |
カスティージョは特に注目度が高い品種です。人口交配種のカスティージョは、伝統的な品種の風味特性を維持しつつ、より病害に強い特性を持ちます。コロンビアのエメラルドマウンテンコーヒーは伝統的な品種を評価しつつも、生産性とユーザーの好みを追求して進化を続けています。
エメラルドマウンテンの作り方・栽培から収穫まで
エメラルドマウンテンコーヒーの栽培方法について深掘りします。品質を最優先に考えて行われているので、栽培から収穫までの工程も厳しく管理されています。
栽培場所 | アンデス山脈 標高1000〜2000メートルの高地 |
肥料 | 化学肥料の使用を最小限に抑え、有機肥料中心に使用 |
収穫 | 完熟した実のみを選別し、手摘みで行う |
収穫後の処理 | 水洗処理が行われ、発酵、洗浄、乾燥後に生豆になる |
品質検査 | コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)による |
厳密な品質チェックで合格した最高品質の豆のみが、エメラルドマウンテンコーヒーとして認められます。妥協のない栽培から品質検査・管理まで行われるエメラルドマウンテンコーヒーは「コロンビアの宝石」とも称されています。次にコロンビア生産者連合会について、まとめてみました。
品質管理と認証制度
エメラルドマウンテンコーヒーの品質を保証するため、厳格な品質管理システムと認証制度が設けられています。コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)が中心となり、生産から輸出までの全過程を監督しています。
【品質評価の基準】
- 手摘み収穫
- 品質検査(コーヒー鑑定士によるカッピングが7回ある)
- 選別基準(変質した豆の除去)
- 保存条件(温度・湿度の適切な管理)
- 風味と香り(※日本市場向けに特別に設けられた基準がある)
これらの基準を満たした豆のみが「エメラルドマウンテン」として認証されます。また、持続可能な栽培方法に関する基準も設けられ、フェアトレード(生産者への適正な報酬の確保・公正な取引)にも寄与しています。
コーヒーユーザーが、厳格な品質管理と認証制度により栽培されたエメラルドマウンテンコーヒーを選択し、生産者や地球環境によい影響をあたえるブランドを支えることも重要ですね。
おすすめのエメラルドマウンテンコーヒー5選
エメラルドマウンテンコーヒーの魅力を味わえる、厳選された5つの商品をご紹介します。またそれぞれの特徴や味わい、そして楽しみ方について詳しく解説していきます。
土井珈琲のエメラルドマウンテン
土居珈琲のエメラルドマウンテンは、厳選された豆を使用し、熟練の焙煎士によって丁寧に中煎りに仕上げられています。「一部のお客様から熱烈にご愛顧いただく、わたしどもの隠れた逸品」(引用:土井珈琲)と紹介されています。
その評価は、深いコクとバランスの取れた甘みにあります。チョコレートや柑橘系の香りが感じられる点が特徴です。価格は100gが1,753円(税込)、200gが3,186円(税込)で、豆の状態もユーザーの淹れ方に応じて選べます。(公式サイト:土井珈琲)
大和屋珈琲のエメラルドマウンテン
大和屋珈琲のエメラルドマウンテンは、酸味の味わい深さで知られています。グレープフルーツのようなさわやかな果実感と、豊かに広がるコクが特徴です。やや深めの中煎りで200gが1,555円(税込)で購入でき、豆の状態も選べます。(公式サイト:大和屋珈琲)
ふじ珈琲のエメラルドマウンテン
ふじ珈琲のエメラルドマウンテンは、豊かなコクと香り高さを持っています。ナッツやキャラメルの甘さも感じられ、エメラルドマウンテンの特徴が強く感じられる一品となっています。
100gは1,620円(税込)で、豆のままか中挽きかを選べます。(公式サイト:ふじ珈琲)
珈琲問屋のエメラルドマウンテン
珈琲問屋のエメラルドマウンテンは、バランスの取れた風味とお手頃な価格で人気を集めています。100g680円、200g1,240円となり量が増えるごとに値引き率が上がります。豆の状態も選択でき、オプションで焙煎具合の指定も可能です。(公式サイト:珈琲問屋)
初めて飲んでみたい方、たくさん飲みたい方にはコストパフォーマンスが優れたこちらがおすすめです。
コカ・コーラのエメラルドマウンテン
コカ・コーラーが展開する「ジョージア」シリーズのエメラルドマウンテンは缶コーヒーです。エメラルドマウンテンの豆(ブレンド)と、国産牛乳をバランスよく使用しています。味わいは、まろやかな口当たりと適度な甘みが特徴です。(公式サイト:コカ・コーラ)
コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)の認定を受けたエメラルドマウンテンを贅沢に使用しており、味わいに奥行きを出しています。オフィスでの休憩時や外出先でも、高級コーヒーの味わいを手軽に楽しめる逸品です。
よくある質問と回答
エメラルドマウンテンコーヒーについて、よくある質問とその回答をまとめました。これらの情報を参考に、エメラルドマウンテンコーヒーをより深く理解し、楽しんでみてください!
エメラルドマウンテンはなぜ高価なの?
エメラルドマウンテンコーヒーは、100g680円から1,200円くらいで購入できます。生産地や豆によってはより高価になり、前述の土井珈琲は100g1,700円で販売しています。
エメラルドマウンテンコーヒーが高価な理由は、主に以下の要因が考えられます。
生産量 | 栽培地域が限られており、生産量が少ない |
品質基準 | 高い品質基準を満たす豆のみが選別されるため |
生産方法 | 手摘みによる収穫や丁寧な加工処理が行われるため、手間がかかる |
ブランド力 | 長年の評価と希少性により、高級品としての地位を確立しているため |
これらの要因が、エメラルドマウンテンコーヒーの価格を押し上げています。しかしその独特の風味と品質の高さ、コストパフォーマンスのよさから多くのコーヒー愛好家に支持されています。
エメラルドマウンテンは酸っぱいの?
エメラルドマウンテンコーヒーは、酸味が特徴ですが、まろやかな味わいを合わせ持つコーヒーです。他の高地産コーヒーに比べて、酸味も穏やかで、飲みやすさを持っています。ただし、焙煎度や抽出方法によって酸味の感じ方は変わります。
- 浅煎り・・・柑橘系の爽やかな酸味が感じら、酸っぱいというよりもフルーティーな印象
- 中煎りから深煎り・・・ナッツやキャラメルのような甘い香ばしさが強くなる
適切に抽出されたエメラルドマウンテンコーヒーは、バランスの取れた味わいを持ち、強い酸味を感じることはありません。
エメラルドマウンテンの保存方法は?
エメラルドマウンテンコーヒーの風味を長く楽しむためには、適切な保存方法が重要です。以下に最適な保存方法をご紹介します。
容器 | 酸素や湿気を遮断するため、気密性の高い容器が理想的 |
保管場所 | 直射日光や熱を避け、冷暗所で保管 |
保存状態 | 豆のままがベスト(★挽いた状態では風味が劣化しやすいため、使用直前に挽く) |
購入量 | 一度に大量購入せず、1-2週間で消費できる量を購入(まとめて買う場合は、豆のままで適切な場所に保管する) |
これらの方法を守ることで、エメラルドマウンテンコーヒーの豊かな風味と香りを長期間楽しむことができます。また、購入時には焙煎日を確認し、なるべく新鮮な豆を選ぶことも重要です。
至高のコーヒー体験、エメラルドマウンテンの魅力
エメラルドマウンテンコーヒーはコロンビアの高地で丁寧に栽培され、厳選された豆から生み出された「コロンビアの宝石」と呼ぶにふさわしい逸品です。
なめらかな口当たり、バランスの取れた酸味と甘み、複雑な風味が魅力で、ナッツやキャラメルの香ばしさ、微かな柑橘系の爽やかさ、そしてチョコレートを思わせる深みが、一杯のコーヒーの中で見事に調和しています。
本記事で紹介した様々なブランドのエメラルドマウンテンコーヒーを試すことで、それぞれの特徴や個性を比較し、自分好みの一杯を見つける楽しみも広がります。コーヒーの奥深さと魅力を再発見し、あなただけのエメラルドマウンテンコーヒーをお楽しみください。
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