SL28/SL34種の特徴とは：栽培方法や歴史と合わせて解説！

SL28とSL34は、ケニアのスコット農業研究所（Scott Agricultural Laboratories）で1930年代に選抜されたコーヒー品種です。

ケニアのコーヒー業界において非常に重要な品種であり、その影響は多岐にわたります。

SL28はフルーツのような明るい酸味が特徴であり、SL34は濃厚なボディと甘みを持つため、両者が組み合わさることでケニア特有の風味豊かなコーヒー。SL28はその優れた風味からスペシャルティコーヒーとして高く評価される一方で、SL34は生産性の高さから広く栽培されています。どちらもケニアを代表する品種として、多くのコーヒー愛好者に支持されています。

SL28の特徴

SL28は、1930年代にスコット農業研究所で開発された品種です。

SL28は、タンザニアから持ち込まれた木から選抜されました。特に中高地での栽培に適しており、乾燥に強い特性がありますが、病害虫には弱いです。干ばつに強く、標高700〜1200mの地域で栽培されることが最適です。

SL28は、明るい酸味と豊かなフルボディを持ち、カシスやベリーのような風味が特徴です。特に、熟成が進むとその品質が向上する傾向があります。ブルボン系の遺伝子グループに属しています。

SL34の特徴

SL34は、SL28と同様にスコット農業研究所で開発されました。

SL34は、ケニアのカベテ地区のロアショ農園から選抜された品種で、フレンチミッションというラベルが付けられた木から派生しています。

SL28よりも収穫量が多く、高標高かつ降雨量の多い地域での栽培に適しています。

SL34もSL28同様に優れた風味特性を持ちますが、収穫量が多いため、農家にとって魅力的な選択肢となっています。ティピカ種に遺伝的に近いことが確認されています。

両品種は主にケニアで栽培されており、特に中央高地の酸性土壌で育つことが理想的です。ケニアではSLシリーズが全体の約80%を占めており、そのためケニアコーヒーは世界的にも高品質なものとして評価されています。

SL28とSL34のケニアコーヒーおすすめ銘柄

ヒロコーヒー フルッタ ケニア	SL34を含むスペシャルティコーヒー。芳醇な香りと柑橘系の酸味が特徴で、ウォッシュド法で精製されています。
自家焙煎かかし珈琲 ケニア マサイAA	SL28/34と他の品種をブレンドし、濃厚なコクとスパイシーな香りが楽しめる深煎りコーヒーです。
サザコーヒーホールディングス ケニア	ニエリ地区で栽培されたSL34を使用し、さわやかな香りと黒糖のような甘さが特徴です
銀河コーヒー レッドマウンテン ケニア ティンガティンガ農園	ベリーのような甘みと深いコクが特徴で、発酵時間を長くとったウォッシュドプロセスによって精製されています。
Bears Coffee ケニアAAマサイコーヒー	ケニアAAグレードよりさらに上の品質を誇る「ケニアマサイAA」は、ニエリ・キリニャガ地区の選りすぐりの豆を使用。BEAR’S COFFEEではフルシティロースト。
辻本珈琲 スペシャルティコーヒー豆 ケニア ガチャサ	ニエリ地方産の特別なコーヒー豆で、鮮やかな酸味とフルーティーな風味が特徴です。シトラスやベリーのようなフレーバーを持ち、バランスのとれた甘さも楽しめる高品質なコーヒーです

SLシリーズ以外の人気コーヒー品種

アラビカ種	ティピカ: アラビカ種の原種とされ、上品でクリーンな味わいが特徴です。病害虫に弱く、栽培が難しいため流通量は少ないです。 ブルボン: ティピカの突然変異種で、まろやかな甘みとコクがあります。生産性は低いですが、風味が良いとされています。
ゲイシャ	エチオピア原産で、フローラルな香りとフルーティーな風味が特徴です。高価で取引されることが多く、特にパナマ産が有名。
カトゥーラ	ブルボンの突然変異種で、耐病性があり、生産性も高いです。柑橘系の酸味と渋みを持ちます。
ムンドノーボ	ブルボンとティピカの交配種で、酸味と甘味のバランスが良く、ブラジルで広く栽培されています。